炭水化物を食べて血糖値が高くなると、インスリンというホルモンが分泌されて糖分を細胞にとり込み、血液中の糖分の値を元に戻します。
つまり、インスリンは体が糖分を利用し、血糖値をコントロールするたいせつなホルモンです。
しかし、あまりにもその回数が多くなると、体の細胞はインスリンの刺激に対して鈍感になります。インスリンがあるにもかかわらず、細胞がブドウ糖を取り込まなくなるのです。
すると血糖値は高くなったまま低下しない高血糖の状態になります。そうなると、膵臓はまだインスリンが足りないのだと勘違いし、さらに大量のインスリンを分泌します。
体細胞はますますインスリンにうんざりし、ますます効かなくなります。これがインスリン抵抗性の状態です。
この状態になると血糖値が上昇します。
糖は体中のあちこちの細胞にベタベタとくっつく性質があります。
糖が血液中のヘモグロビンにくっついたものが、過去3か月の血糖コントロールの状態を調べるために使われる(ヘモグロビンA₁c)というものです。この糖がくっつく過程d、体内では活性酸素が大量につくり出されます。そのため、糖尿病の人はチリチリした慢性の炎症状態になるのです。
また、血糖値が高く、活性酸素がふえると、(TNF-a)というサイトカインがつくられます。このTNF-aは(腫傷壊死因子)ちいって、本来はガン細胞を殺す働きで注目されましたが、糖尿病の人にあいてはインスリン抵抗性を高め、炎症傾向を進めることがわかっています。
この状態が続くと細胞の増殖が促され、ガンが起こりやすくなるのです。